サンドリヨンは微笑まない

沈黙が降る。


「あんたが悪いんじゃない」

「でも遼は悪くないでしょう」

「写真、載ってたな」


写真。

もしかして『平井さんが送りつけちゃった』らしいあの雑誌のことか。

思い出して、それを見る遼のことを想像して、口を開く。


「す、捨てて!」

「は?」

「帰ったらすぐに捨てて!」

「どうして」

「だってそんなの女性ファッション誌だよ!」


いや、女性だろうと男性だろうと誰が買ったって何も言っちゃいけないけれど。

なんか気恥ずかしい。



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