サンドリヨンは微笑まない
「教えてくれてありがとう。あの、芦花ちゃんて、もしかして妹とかいる?」
「いるよー、ホタルちゃんと同じクラス」
そういうことだったんだ。
だからあたしが仕事をしているのを知っていたし、留年、はみんな知っていたか。
白い歯を見せながら笑う芦花ちゃんは頑張れー、と送り出してくれた。
芦花ちゃんと同じ事務所らしい先輩方に挨拶い行く。新人は風当たりが強い。そんなのは知っているけれど。
「足引っ張んないでよね」
ティーンエイジャー。
成人していない十代の女は、扱いにくい。きっと大御所の女優さん並みだ。
頭の中でひっどいあだなでもつけようかと思ったけれど、辞めた。