サンドリヨンは微笑まない
あたしは全然学校に行っていなかったし、先輩に興味ない。
なんか変。同じ制服を着て同じ学校に居たなんて。
「俺はあんたのこと、一回だけ見たことあった」
「え、嘘」
「保健室で、あんたは眠ってたけど。しかも授業中だった気がする」
「保健室とか。なんか安っぽい学園ドラマみたいだね」
「確かに」
その安っぽい学園ドラマは、幕を開けずに終わってしまったけれど。
ハイツの前に着いた。手を離そうとしたんだけど、遼が指を離さなかった。
うん? と首を傾げる。
もしかして、あたしが遅刻したことを思い出して怒ってるとか…?