サンドリヨンは微笑まない
ヒトは完璧じゃない
泣き腫らした顔を見るのは怖くて、冷やしたタオルで顔を覆った。
諦めた方が良い、だって。
あたし遼にフられちゃったのか。
あー悲しい!
悲しくても太陽はきちんと昇ってきてくれるから、ありがたい。
課題をのろのろやって、半分も終わらないそれと半分も残っていない休みをカレンダーを見ながら嘆く。
夏休みよ長くなれ!
視線をカレンダーに送っていたら、携帯に着信がかかってきた。
実家から。
『もしもし、螢? ちゃんと生きてる?』
我が母ながらいつもその言葉には驚かされる。
「ちゃんと生きてるよ」
『良かった、雑誌見たわよ。大きく載ってたわね! 事務所の人とは仲良くやってる?』