サンドリヨンは微笑まない
今度伊月さんにもメアド聞いてみよう。
姉妹で送るメールってやっぱり違うのかな。
一時間だけだけど暇だよ、と送って、二人で事務所の隣のカフェに入ることに決めた。
「ホタルちゃーん」
ヒラヒラと手を振る芦花ちゃんは目深に帽子か被っていた。対してあたしは無防備。
まあ道端で声をかけられたこともないし、大丈夫か、と思いながら俯きながら近付く。
サッと芦花ちゃんはレンズの大きいサングラスを差し出してくれた。
「これかけた方が良いよ」
「あ、ありがとう」
「一部のファンの人ってモデルとモデルが会ってるの見てスパイとか密会とか面倒なこと言うから」