サンドリヨンは微笑まない
後々変な知られ方をするのも嫌なので、今のうちに白状しておこう。
あれか。
壁にかかった時計を見ながら遼が呟く。
ちょうど、時間がきた。
あたしは鞄を持って、遼の後を追って玄関へ行く。
「あれ、高校のときの。部活で組む相手いなくて、仕方なく組まされたやつ」
本当に仕方無さそうに、遼は言った。
思えば、あたしこの人にこの前告白したんだよね。
確かにのぞみさんを好きな遼も好きだって言ったけれど。
なに、傷抉るようなことされちゃってんだか。