サンドリヨンは微笑まない
ハシは止まらない
そこは行ったことのない焼き肉屋さん。
「ここ高い所だろ…?」
「だよね…?」
あたしは生まれてこの方、チェーンの焼肉店しか行ったことがなかったけれど、これは分かる。
醸し出された雰囲気が違う…!
呆然と店の前で立ち尽くしていると後ろから声をかけられた。
「ホータールーちゃん」
振り返るとサングラスと麦わら帽子。あたしより少し高い身長。
「藤堂さん、夕飯ですか?」
「そうそう。無料で食べ放題だって、岸田さんに連れてきて貰っちゃった」
「ということは…」
「社長の奢りー!」