サンドリヨンは微笑まない
「う、うれ、嬉しいです…!」
ボロボロと涙が出た。落ちた先は持ったサニーレタスへ。
「良かったね、ホタル」
岸田さんも同じくらい喜んでくれた。隣の藤堂さんも、酔いながら「おめでとう」と言ってくれる。
「前進」
そう言いながらあたしの顔を拭ってくれたのは遼だった。
本当だ、前進してる。
オーディション落ちて食生活も儘ならなかったあたしが、前に進んでる。
「今まで、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします」
頭を下げる。
それでも足りないくらい、色んな人に感謝しなくちゃ。
しても、し尽くせないくらいだ。