サンドリヨンは微笑まない

族って。
暴走族?

アイスを急いで食べる。どろりと口の中で溶けて、消える。

このタイミングで、藤堂さんが起きたりしませんように。


「そんなの、世間の滅茶苦茶美味しいネタじゃん。まあ、その父親の家のお陰でそんなのは闇の中。今回のスキャンダルなんて塵みたいなもんだけど」

「平井さん…オーラ黒いですけど」

「そう? まあ向こうの事務所は今度映画に出る俳優使って取り上げて欲しかったみたいな顔してたけど、うちの看板がそんなのに使われてたまるかっての」


あ、本当だ。どす黒いー。

ぺろりとスプーンを舐めながら平井さんを見た。


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