サンドリヨンは微笑まない

長い指先が遼に向けられた。


「対してハルカくんは他人にも厳しければ自分にも厳しい。面倒見がよくなかったら、きっとホタルちゃんなんて嫌悪の域じゃない?」


言われてどきーっとする。

遼の家を出てくるときも傷を抉ったのに。

今日はアレですか、傷に塩を塗りたくろうの日ですか!


「俺の目ってすごいよね!」


…それが言いたかったらしい。

あたしも遼も閉口。


「…まあ、」


遼が頬杖をついて笑う。



「平井さんが螢に手出したら淫行罪で捕まりますからね」

「え、なにハルカくん喧嘩売ってんの?」

「まさか」



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