サンドリヨンは微笑まない
いつか全部失ってしまったら、と考えると怖くて夜も眠れない。
それでも、ファッションショーまでは絶対死んだりしないんだから。
そう思うと、遼への想いが通じないことに、少し安堵する自分もいる。
「コンビニ寄っていい?」
「うん」
頷く。駅前のコンビニに入って、あたしは雑誌コーナーをざっと見た。
あ、酒匂さん表紙だ。
一緒に撮ったのとは違うファッション雑誌。掛け持ちって大変じゃないのかな。
週刊誌のひとつに目が留まる。
藤堂さんのこと。それを手に取って、パラパラ捲る。
こういうの見たことなかった。