サンドリヨンは微笑まない
来週は文化祭。それまでに伊月さんの分の花も終わらせないといけない。
伊月さんの入院は延びた。
風邪をこじらせた、と絵文字なしのメールが来た。
「…あー…」
それが終わったら中間試験がある。
遼に会いたくない。
でも会って話をしなくちゃ。
ちゃんと謝って、それから元に戻ろう。
遼の未来に、迷惑はかけられない。
「溜息吐かない」
ポンと後ろから頭を叩かれた。
思った通り、平井さん。
「何その情けない顔」
「…そんな顔してません」
唇を尖らせる。