サンドリヨンは微笑まない
小野寺くんも大変なんだ。
「男子トイレの個室にでも籠もってれば?」
「そうしよっかなー」
憐れみを含めた目で言った伊月さんの言葉に、小野寺くんは真剣に返した。
開始時間になって、結局三人で中庭をフラフラすることにした。
あたしは特に文化祭には興味がないし、他クラスに友達もいない。
屋台を回って、早々に小野寺くんがお好み焼きを貰ってきていたのを見て、交友関係広いなあと思った。
花壇の縁に伊月さんと座っていると、着信音。
あたしだ。
ディスプレイに映った文字に、躊躇いながらもとる。