サンドリヨンは微笑まない

小野寺くんも大変なんだ。


「男子トイレの個室にでも籠もってれば?」

「そうしよっかなー」


憐れみを含めた目で言った伊月さんの言葉に、小野寺くんは真剣に返した。

開始時間になって、結局三人で中庭をフラフラすることにした。

あたしは特に文化祭には興味がないし、他クラスに友達もいない。

屋台を回って、早々に小野寺くんがお好み焼きを貰ってきていたのを見て、交友関係広いなあと思った。

花壇の縁に伊月さんと座っていると、着信音。

あたしだ。

ディスプレイに映った文字に、躊躇いながらもとる。





< 242 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop