サンドリヨンは微笑まない
それでも振り払わないでいてくれた伊月さんも、小野寺くんも優しい。
数人と目があったけれど、すぐに逸らされた。
「腹減った」
「どっかで昼食取ろう」
「うん」
「ソフト麺売ってる所あった。買ってくるから教室探しといて」
小野寺くんが軽やかに走って行く。
あたしと伊月さんでゆっくり歩きながら教室さ探していると、美術部だろう人が遼とのぞみさんが話しているのが見えた。
のぞみさんは兎も角、遼もその人も見た目は美術部には見えない。
ぼんやりとそんなことを考えながら、廊下を曲がる。