サンドリヨンは微笑まない

美味しそう、いただきまーす、と手を併せる。


「ちょい、大学生は?」

「うん、ここのOBなの。だから遊びに来てるんじゃないかなあ」

「え、お前に会いに来てんじゃないの?」

「それはそうでしょう。だってあたしフられてるんだよ?」


あはは、という声だけが教室に響く。

窓から入るまだ暑い風が不快。

それからなんとなく、今日あったことを話した。

伊月さんは不機嫌そうにぶすっとしていたけれど、小野寺くんは「大変だなあ網島も」と感想をひとつ。

文化祭は終わっていった。




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