サンドリヨンは微笑まない
現実味を帯びた自分の夢に、時間が近づいている。
くあ、と欠伸をして、ソファーに身を埋めた。
「疲れてるの?」
「昨日徹夜でした…そして栄養ドリンクしか飲んでなくてお腹が…」
「空いてる?」
「痛い…」
え! と岸田さんが立ち上がる。
「ちょっと、大丈夫なの? 自分の黒こげの料理食べてもお腹壊さなかったホタルが…!」
「岸田さん、あたし…」
「うん」
「明太子パスタが食べたいです…」
それから目を閉じた。
眠っても大丈夫。岸田さんはあたしの部屋のスペアキーを持ってるから。