サンドリヨンは微笑まない
目を覚ますとソファーの生地が見えた。
キッチンで水音がして、あれ? と起き上がる。
あ、岸田さんが何かしてるんだ。
明太子パスタ作ってくれているのかもしれない。それまでごろごろしてよう。
二度寝を終えて、テーブルが何かにぶつかる音に目を覚ます。
「…うん?」
明太子パスタ。文化祭の時も思ったけれど、あたしは麺が好きらしい。
でも、違う。
あたしが期待していたのは岸田さんの明太子パスタであって。
「あんたもう起きて大丈夫なの?」
「あ…はい」
岸田さん、今すぐ帰ってきてください。
どうして遼がいるんだ。