サンドリヨンは微笑まない
あれ、ここあたしの部屋だよね? あたしの家だよね?
ん、と網島家のフォークが出される。
「遼の分は?」
お腹は空いていたので無意識にフォークを手に取っていた。それからもしゅもしゅとそれを口に運んでいく。
遼の明太子パスタだー。
「今おやつの時間」
「あ、ほんとだ。…なんでここにいるの?」
「スーパーで岸田さんに会って、あんたが遺言残したって騒いでて。んで、岸田さんは薬局行くって言ってたから、食材は任させてもらった」
遺言て。
明太子パスタ食べたいなんて遺言、普通じゃ叶わない…。