サンドリヨンは微笑まない

どこに気持ちを向ければ良いのか分からない。


「遼には関係ないもん…」


手首を掴まれたままで急に足首を掴まれた。

遼の方へ床を滑る。


「関係なくて良いとして、足は」

「うん?」

「怪我」


キャスターにぶつけた指は爪が剥がれていた。白い部分が少し無くなっていただけなので、大事には至らない。

確認した後も足首を持ったままの遼は、どこか難しい顔。


「なに?」

「足細すぎじゃね? 俺でも折れそう」


言われた言葉に口を噤む。

それってセクハラ発言? お世辞?



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