サンドリヨンは微笑まない

岸田さんがリビングまで来て、薬と水をくれる。


「で、遼くんはその好きな人と付き合えてるの?」


その言葉に錠剤を吹き出しそうになった。ちゃんと喉の奥に流し込んで、息を吐く。


「…さあ…?」

「若いのに、二人とも気まずくならないのがすごい」


そういえば、そうだ。

遼がもしものぞみさんと付き合うことになったら、どうなるんだろう。

あたしと、大堀さん。

友達を三人で続けるのかな。のぞみさんならそう言いそう。

それは、大堀さんにも遼にも酷すぎる仕打ち。

もしそうなったらあたしと慰めの会みたいの立ち上げようよって誘ってみようかな。


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