サンドリヨンは微笑まない
今、あたしと遼が気まずくなっていないのは、多分遼が付き合ってないから、だ。
ちょっと待って。
そうしたら勉強は?
ついこの前まで、遼が居なくても! とか思っていた自分が、笑える。
あたしはどこまでも甘え続けるつもりだ。
「岸田さんだって若いですよ…」
「ホタルって、たまに思考回路が飛ぶよね。急に元気になったかと思えば、急に落ち込んだり」
「こっちに来てからです。ちゃんと楽しいことも考えられるようになったのは」
笑うと、岸田さんも笑ってくれた。
楽しいことって、素敵だと思う。