サンドリヨンは微笑まない
遼に報告に行こう、と撮影のない日の放課後、制服のまま遼宅へ。
先に連絡いれとけば良かったかな。
携帯を見て、閉口。そういえば文化祭のとき、遼から来たメール、ガン無視したんだよね…仕返しとかいって無視されたらやだ。
あたしの臆病心より、何も言わずに遼宅の前。
居なかったら居なかったで、帰れば良いや。
チャイムを押す。
「はーい」
…はーい?
遼の声高くなった? なんてボケをカマしていて現実逃避へと走っている場合じゃない。
この声、もしかして。
「あ、ホタルちゃん?」
天敵の声。