サンドリヨンは微笑まない
神様はあたしが嫌いで、呼びかけても振り返ってくれないから。
可愛い恋なんて、身の丈に合ってなかった。
「中間試験、赤点なかったよ。あと、数学が学年で上の方だった」
「あんた、すごいな。おめでとう」
「ありがと。あとね、もう来ないから」
今度は大丈夫。
ちゃんと、言える。
「もう、遼のとこには来ないから。ご飯とか、勉強とか、ありがとう」
笑えた。
良かった、笑えた。
何か言いたげに口を開いた遼に背を向ける。
たくさん、ごめんね。