サンドリヨンは微笑まない
反省しながら化学の問題を解いていると、隣に気配がした。
久しぶりに藤堂さんかな…と見上げる。
パチンと額に衝撃。
「痛…」
「顔に傷つくるなんてどういう神経してんだか分かんないんだけど」
「す、すみません…」
「俺に謝ってキミの痣が治るなら何回でも謝ってほしいけどね。ショーに出る自覚あんの? 顔でも足でも怪我したらキミの評価が落ちてくだけだから」
平井さんは言葉を吐き捨てて、行ってしまう。
「社長! モデルの顔にでこピンするなんてどういう神経してるんですか! こっちが問いたいです」
秘書の人がその背中に言葉をぶつけた。