サンドリヨンは微笑まない
そうだ、小野寺くんの分もあるんだけど、本人はどこへ行ったんだろう?
伊月さんに聞くと、バイトに直行したそうなので渡してもらうことにした。
「家が隣って良いね。漫画の幼なじみみたい」
「全然良くない。勝手に部屋にあがられたり、勝手に夕飯に参加されたり。喧嘩すれば家族単位で説得されるんだから」
「家族単位…それはまた、大規模ですね」
「私、小野寺とは絶対結婚しないって決めてるの。喧嘩の度に家族出てこられたら嫌だもの」
言いたいことを言い終わった伊月さんはすっきりしていて、やはり可愛かった。