サンドリヨンは微笑まない
座って、って。
そういえば、明太子パスタは遼に作って貰ったんだっけ。
確かにあたしより遼の方がこのキッチンのことを知っている感じがする。
お言葉に甘えて、寝室に鞄を入れてからリビングに行った。
…ちょっと待って。
あたしはこんなに簡単に遼を家にあげても良いんだろうか。
だって遼の家に行かないって言ってしまったし。
あ、でもこの場合は遼が家に来たから良いのかな?
自分で敷いたルールに惑わされる自分。
「俺も初めてなんだけど、急須で紅茶とか」
「…バカって損ですね」
「今更」