サンドリヨンは微笑まない
ハッと我に返る。
熱くなりすぎた。
「…ごめん」
「いや、その、前置きが長かった。ごめん」
「前置き?」
「俺、あんたのこと好きなんだ」
…うん?
目を逸らす。何の罰ゲームだ。
「あたし、遼のこと嫌いだもん」
口から出る言葉が捕まらなくて、逃げる。
でも、だめ。
あたしは遼を受け入れない。
そっちの方が、良いの。
繋がれた手が熱い。どちらの温度か分からない。
「あのずっと待ってるって言ったやつは?」
さして怒っていないような声で、遼が聞く。