サンドリヨンは微笑まない
ダメ。ダメだ。
遼のペースに巻き込まれる。流されたら、流れが止まるまで流されっぱなしになっちゃう。
「あ、ほらでも。遼は里帰りとかしないの?」
「しないっていうか、家族が元旦に来る」
「なら、大晦日は自分の家でゆっくり掃除を…」
あたしも家具のあまりないあの部屋を掃除する。
ようやく、この問題の解決策を見つけた。
要するにフェードアウト。
この前藤堂さんに教えてもらった言葉。ショーにも使う、段々暗くしていって闇にする方法。
いきなりくっついたり離れたりしたから、こんなことになってしまった。