サンドリヨンは微笑まない
あのマネージャーさん、どこだろう。
早くこの子連れてってほしいな。
「本当ですか? よかったあ、あたしちょっと怖くて」
「うん?」
「ネットの掲示板でホタルさんが元ヤンみたいなこと書いてあって、でもそういうの、信用しちゃ駄目ですよねえ」
ぼんやりとしていた。
飯田千穂の言葉が左から右に逃げていってしまう。
あたしは岸田さんが裏に停めてくれた車に乗って、自分の荷物の中から携帯を出した。
「友達?」
「ううん、ちょっと」
ネットに繋ぐ。こんな機能なんて使わないと思っていたけれど。