サンドリヨンは微笑まない
背中をソファーにつけて、天井を仰ぐ。
「でも、それはあんたが馬鹿で居て良い理由にはならないからな」
「分かってるよ」
「他になんかあんの、学校に行かない理由」
紙がテーブルの上に置かれる。
それを見たくなくて、未だ天井を仰いだまま。
「おーい、聞いてますか」
ペチンと額をペンでつつかれた。
意外に痛くて、平井さんのでこピンはどれだけ痛いのか想像する。
「勉強、ちゃんとやります」
「…そうしてください」
何故か心底呆れた表情で遼は数学の問題の解説をしてくれた。