サンドリヨンは微笑まない

息が出来て岸田さんの方を向く。


「なにあの車!」


珍しいことに、怒っている岸田さん。前を向くと、赤信号を突っ切っていく車。


「危ない…」

「有り得ない! てゆーか、ホタル大丈夫?」


その言葉に不覚にも笑ってしまった。

一度笑い始めると、ツボにはまってしまって、体を折り曲げて笑う。


「え、次は何? お腹?」

「だって岸田さん大丈夫? ってずっと心配してくれるから」

「そんなの当たり前でしょう」

「遼もね、なんだかんだ言って色々教えてくれるし、やってくれるの」


年越しそばとかね。


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