サンドリヨンは微笑まない
「そういうの感じる度、あたしは何も出来ないのに申し訳ないなって思います」
「何も出来なくないでしょう。本当にカメラの前以外では謙虚ってゆーか、自信ないってゆーか」
「そうですかね」
「だから遼くんも告白してくれたんでしょう?」
…そうでした。
さっきの急停止であたしの方が忘れていた。
幸い後ろに車はなくて、再出発。
「…このこと、平井さんに、」
「私からは言わないけど、どうするの? 付き合うの?」
「…ふりました」
岸田さんは言葉を失った、という顔。でもちゃんと前を向いて安全運転。