サンドリヨンは微笑まない
それは、少し前のあたしだって聞いたら言葉を失う。
というか首を絞められるかもしれない。
でも、色々状況が違う。
「遼には、先生になってほしいし。あたしのことに巻き込んで、なんかあったらって思うと」
巻き込めない。
傷つけたくない。
携帯のディスプレイが甦る。
活字、モデルの名前、羅列した羨望と悪意。
「怖い?」
「正直、すごく」
「二年も遼くんはホタルより年上なんだよ」
そんなの分かってるよ。
あたしはちゃんと靴を履いて足を下ろす。
ナビの日付を見ると、後数日で大晦日。