サンドリヨンは微笑まない
遼が年越しそばを作ってくれる。
「岸田さんは、付き合うのに反対なの、賛成なの?」
「それを言って、ホタルの気持ちは変わるの?」
う、と口を噤む。痛いところを突かれた。
変わらない、でも多分揺れ動く。
実際あたしはちゃんと将来のことを考えるようになった。
「変わっちゃうくらいなら、それ本当の気持ちじゃないよ」
トドメをさされた。
岸田さんは意外に、厳しい。
「顔が疲れてるよ?」
「そんなことねーですけど」
「そんなことあるって顔に書いてありますけど」