サンドリヨンは微笑まない

そう、よく考えた方が良い。


「一応他人じゃなくて片想い相手だから」


そばを茹で始める。

遼はずるい。あたしが遼を拒めないのを知っていて、そういうの言ってるんだ。

む、と口を曲げてると頬を抓られる。


「ちょっとは喜べっての。つか、手伝わなくて良いんでリビング行ってて」

「なんかやる」

「やめて。そばが黒くなったらそれこそ俺は帰れない」


そこまで言われたらリビングに行くしかない。 
一応掃除はしたけれど、変わり映えのしない部屋。

まあ、床を雑巾で拭いたくらいだからね。

遼の部屋はまた絵の具でいっぱいになってるのかな。


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