サンドリヨンは微笑まない
いつか遼が没頭して描いていた大きいやつ、文化祭に出したのかな。
「ん」
遼がそばを持ってきてくれた。美味しそう…!
自然に隣に座った遼は、割り箸を割る。
今度、お皿と一緒に箸も買ってこよう。
手を併せて「いただきます」と言って食べ始める。
「やっぱり紅白を見ながら年越しそばだね!」
「それ家の習慣みたいなの?」
「うん。それで紅と白どっちが勝つか賭けて、負けた方に賭けた人が新年早々皿洗いするの」
「それいいな」
ふ、と遼が笑ったのを見て、寂しくなる。