サンドリヨンは微笑まない
頭を使うことは予想以上に辛かった。
理解して次の理解にいく時に前のことを持ち出されると頭が混乱する。
「今日はこれくらいで終わり」
遼が参考書を閉じる。やっと終わった…と思うと共に涙が零れた。
ぎょっとした。遼も勿論だけど、あたしも。
「疲れた?」
膝に顔を埋める。無言で首を振った。
約四時間かけて進んだページ数四ページ。
一時間一ページっていう計算はあたしにも出来る。
「夕飯、明太子パスタ」
それを聞いて顔を上げると、遼が苦笑しているのが見えた。
涙は完全にひいた。