サンドリヨンは微笑まない
見上げると同時に鋏を取り上げられた。
「簡単に切んなよ。あんたの身体の一部だろ」
「でもまた伸びるよ?」
「却下」
そうこう言っている内に、ちゃんと取れた。
どちらとも眠気がまだ残っていて、ベッドから動かない。
兎に角シャワーを浴びよう。
「あ! 遼の家族、良いの?」
「昨日連絡いれた」
「そっか、良かった。シャワーつかう?」
きょとんとした顔がこっちに向けられる。
今また日本語変だった?
「いい。一回家帰る」
「うん」
「で蟹持ってくる」
蟹! と早速食べ物につられるあたしだった。