サンドリヨンは微笑まない
遼が二度目に訪ねてきた時、ちょうどあたしはキッチンに立っていた。
玄関の鍵を開けて遼が入る。
「何の実験中?」
「実験じゃなくてお味噌汁作ってるの!」
「分かったから。菜箸は武器じゃないから、おろせ」
菜箸を武器にしたつもりはないけれど、振り上げていたのは確か。
あたしは素直にそれに従って、キッチンに戻る。
「家族の人居た?」
「好き放題やって寝てた。今日は二日酔いだろうから、初詣は明日。あんたの家は?」
「多分お祖母ちゃんの家行ってると思うからい家にいないかな」
「へえ、あ、思ったより美味しそう」