サンドリヨンは微笑まない


年が明けて、一週間すると学校が始まった。


「あけおめ!」


小野寺くんが元気に言うのを聞いて顔をあげる。


「おめでと…小野寺くん風邪ひいたの?」

「夜中に薄着で神社に行った結果」


伊月さんが呆れたように話す。

年末からずっと家族ぐるみでどっちかの家にいたらしい。


「すごい、さすがお隣さん」

「もう毎日見て飽きてる。新年早々飽きてる」


小野寺くんが鼻声で返した。

それに伊月さんが「同意見」と言って、その場はおさまる。




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