サンドリヨンは微笑まない

毎日じゃないけれど、暇があれば家に来る遼の顔を見ていても、飽きたりしていないな。

この先何年も一緒に居ると、やっぱりいつかは飽きるのかな。

始業式の間、そんなことを考えていた。

式と一緒に表彰もあって、管弦楽や運動部、今回は美術部もあった。

いつもちゃんと聞いていたわけではないから、もしかしたらいつも何か賞を取っていたのかもしれない。

遼の後輩だもんね。

でも、あんまり高校生の遼のことを聞きたいとは思わない。

…また、嘘。少し聞きたいけれど、なんか嫌。

あたしの知らない遼を、のぞみさんを好きだった遼のことを聞いて、心が千切れたらもうどうすれば良いか分からない。



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