サンドリヨンは微笑まない

始業式が終わって、今学期は試験が一回しかないことに喜んでいると、伊月さんが「そういえば」と切り出した。


「網島さんは元旦とかどうしてたの? 仕事?」

「ううん、遼が家に入り浸ってた」


はあ!? と、夫婦漫才みたいに…って言ったら怒られるけれど、本当にそんな感じに伊月さんと小野寺くんは突っ込んできた。


「息ぴったりだね」

「喜んでる場合じゃないでしょう。なんで? え、フられたんだよね網島さん」


うわ、伊月さんの胸を抉る言葉がきた。

久しぶりだから傷に沁みる。


「うん、でも元カノとのことはキッパリ切れたからって。告白された」



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