サンドリヨンは微笑まない
ソノテは効かない
お姉ちゃんと最近会った?
伊月さんの問いに首を振った。
ショーまで1ヶ月を切っていた。
「どうして?」
「忙しいみたいだから」
「そういえば、テレビでの露出多いよね。あたし、この前クイズ番組見て、芦花ちゃんが頭の良い高校だってこと知った」
「普通の高校生だよ」
語尾が強い。
「うん、あたしと同じ17歳」
そう返すと、意外そうに顔を向けた伊月さん。前の授業からずっと眠っていた小野寺くんが顔をあげた。
「マスクしながら眠るの辛くない?」
「いや、もう慣れた」
慣れって怖い。
あたしは芦花ちゃんにメールすることを決めた。