サンドリヨンは微笑まない
授業中でも平気でぐっすり眠る小野寺くんの風邪は、段々良くなってきている。
「年末年始も帰ってこなかったな」
「休日返上!?」
「モデルに休日とかあるの?」
「ちょっと使ってみたかっただけ」
ああ、そう。伊月さんが半分呆れながら納得した。そういうことです。
小野寺くんはそれだけ言って、また机に伏す。次の授業始まるんだけど。
「小野寺ー、まだ風邪治らないのかー?」
「はーい、少し眠ってから復活しまーす」
先生との会話にクラスメートの笑い声が聞こえる。
小野寺くんに許された特権だ。