サンドリヨンは微笑まない
街灯が明るい。この街の夜は明るい。
夜働く人たちに優しい街。
「あたし、この街好きだなあ」
不意に口から零れた言葉。
「私も好き。あ、美味しいカレーパン屋さんがあるんだ! 今度行こうね」
「行きたい!」
「妹も一緒に連れて行こうっと」
「楽しそう!」
三人で街を歩く。そんな日が来るなんて思いもしなかったから、嬉しくて仕方がない。
あたしは今、幸せだ。
「あ、小野寺も荷物持ちさせよう!」
「小野寺くん…」
伊月さんとも芦花ちゃんとも仲が良いらしい。