サンドリヨンは微笑まない

遠い人。

いつもはあんなにフレンドリーでお酒にあまり強くなくて、中卒だなんて普通に言ってしまう藤堂さん。

ランウェイを歩くだけで、服が違うだけで、印象が違う。

そして、あたしの番が来た。

笑顔、笑顔。
カメラの前じゃないんだから、大丈夫。

そして、あたしもお客さんと同じくらいこのショーを待ちわびていた。

舞台に出る。

明るいライトが、眩しくて目が眩むけれど、あたしは前へ進む。

時々ホタルちゃん! と言ってくれる声が聞こえて、嬉しくなった。

あたし、ちゃんと笑えてる?



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