サンドリヨンは微笑まない
黙っていると、あたしの思考を読み取ったのか、遼が呆れたように笑う。
行ったってつまらないんだもん。
最初に出来た友達は学年が違うし、同じクラスの人には距離を取られているし、先生からは憐れみの目で見られるし。
それもこれも、全部あたしが招いてしまった結果なんだけど。
「送ってく、それ貸して」
教科書の詰まった鞄を持ってくれた。
外に出て、夜の空気を吸う。
行きより断然軽くなった荷物。
遼の横顔を見る。
「これからも勉強教えてくれる?」
「んな今更な、」
「あたし数学出来ないし、いや全部だけど…。まあ今更なんだけど」
ん、と遼から鞄が渡された。