サンドリヨンは微笑まない
睨む視線に火花が散る。
近くは田圃。叫んだって誰も来やしない。
「あたし抜けたって言ったよね?」
「何その話し方。都会っ子っぽーい」
きゃははっと笑う声につられて笑う外野。
囲まれているのが分かった。
「じゃあちゃんと制裁受けてもらわないと、ねえ?」
いきなり繰り出された裏拳を避ける。お、あたし反射神経良い! と感動している場合じゃない。
こんな人数、多分じゃない、撒ける自信がない。
誰かに連絡したら、来てくれる? きっと、誰かは来てくれる。例えば、遼────
考えて、消す。