サンドリヨンは微笑まない
こんなの見られたくない。
「制裁、ね? 男取られたバカ女が何言ってんだか」
渦見はその言葉に顔色を変える。
元々、あたしたちを違ったのは、その男が問題で。
なんて、話に渦見は耳も貸さなかったけれど。
「安心しなよ。みんなあんたを贈りたがってるからさ」
後頭部を堅いもので殴られた。
痛いと感じて、意識が飛びそうになる。あたしの手から離れたバッグが道に出る。
携帯、手帳、腕時計。
視線がそれを捉えている間にも、鳩尾に蹴りが入った。
ぎゅっと身を畳むのを合図に、外野が何かを言いながら身体に足を乗せてくる。