サンドリヨンは微笑まない
カコは剥がれない
天井が白かった。
ぼんやりと映し出されたそれはあたしの部屋ものでも、遼の部屋のものでもない。
「螢…?」
お母さんの顔が見えた。
驚くのと同じく今まであったことを思い出した。あのままあたしは放置されたのか。
「少し待ってて、先生呼んでくるから」
「あたしが呼んでくる」
聞こえた懐かしい声に、どきりとする。
お姉ちゃん。後ろ姿はすらりとしていて、本当に綺麗。
というのも、あたしもお姉ちゃんもお母さん感謝しないといけない。
「ゴミ捨て場にぼろ雑巾みたいになってるところをお姉ちゃんが見つけたのよ」